大好きなパートナーとの新しい生活の第一歩となる「同棲」。二人で理想の部屋を探す時間はとても楽しいものですが、多くのカップルが直面するのが「入居審査」という大きなハードルです。
「同棲カップルは入居審査に落ちやすいって本当?」「一体どれくらいの割合で落ちるものなの?」といった不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、同棲カップルだからという理由だけで、入居審査が絶望的になるわけではありません。しかし、単身者や既婚世帯と比べて、大家さんや管理会社が慎重に判断する傾向があるのは事実です。
この記事では、なぜ同棲カップルの入居審査が厳しくなるのか、気になる「落ちる割合」の実態から、審査に通過するための具体的な対策まで、網羅的に解説します。
しっかりと準備と対策を行えば、審査は決して怖くありません。この記事を読んで、二人で安心して新生活をスタートさせましょう。
同棲カップルの入居審査は厳しい?落ちる割合と実態
まず結論から言うと、同棲カップルが入居審査に「落ちる明確な割合」を示す公的な統計データは存在しません。
しかし、不動産業界の一般的な感覚として、単身者や婚姻関係にある夫婦に比べると、審査のハードルはやや高くなると言われています。それはなぜなのでしょうか。
大家さんや管理会社が同棲カップルを慎重に審査する理由
大家さんにとって最も避けたいのは、家賃の滞納や入居者トラブルです。その観点から見ると、法的な結びつきのない同棲カップルには、以下のようなリスクが懸念されることがあります。
- 関係解消による家賃滞納リスク:もし関係がこじれて一方が退去してしまった場合、残った一人の収入では家賃が支払えなくなる可能性がある。
- 単独での家賃支払い能力への不安:もともと二人の収入を合算してギリギリ支払える家賃の場合、一人になった途端に滞納リスクが高まる。
- トラブル時の連絡の複雑さ:万が一のトラブルの際に、契約者でない一方の親族には連絡が取りづらい。
こうした懸念から、貸主側は「この二人は本当に長く、安定して住んでくれるだろうか」という点を、単身者や夫婦よりもシビアに見極めようとするのです。
すべての大家さんが同棲に厳しいわけではない
もちろん、すべての大家さんや管理会社が同棲カップルに否定的なわけではありません。近年ではライフスタイルの多様化も進み、「同棲可」「ルームシェア可」といった物件も増えています。
大切なのは、貸主側の不安を払拭できるような「信頼性」と「支払い能力」を、入居審査の際にしっかりと示すことです。そのための準備を怠らなければ、審査に通る可能性は十分にあります。
婚約している場合は有利に働くことも
単なる同棲カップルと、婚約しているカップルとでは、貸主側が受ける印象も変わってきます。「近い将来結婚する予定です」と誠実に伝えることで、関係の安定性をアピールでき、審査にプラスに働くことがあります。
口頭で伝えるだけでなく、申込書の備考欄に「来春入籍予定です」などと一言添えるだけでも、心証は良くなるでしょう。
これが審査の分かれ道!同棲で入居審査に落ちる主な理由
では、具体的にどのようなケースで入居審査に落ちてしまうのでしょうか。同棲カップルに限らず、入居審査で共通して見られるポイントと、特に注意すべき理由を解説します。
理由1:二人の収入合計が家賃に見合っていない
最も基本的な審査基準は「支払い能力」です。一般的に、家賃の目安は「月収(手取り)の3分の1以内」とされています。
同棲の場合、二人の収入を合算して審査してもらえることが多いですが、その合算収入の3分の1を家賃が大幅に超えていると、支払い能力に疑問符が付き、審査に落ちる大きな原因となります。
まずは、無理のない家賃設定の物件を選ぶことが大前提です。
理由2:雇用形態の不安定さや勤続年数の短さ
収入額だけでなく、その安定性も重要な審査ポイントです。
例えば、どちらか一方、あるいは両方が非正規雇用(契約社員、派遣、アルバイト)であったり、転職したばかりで勤続年数が極端に短かったりすると、収入の継続性に不安があると見なされがちです。
特に、二人のうち一方が学生や無職である場合は、もう一方の収入だけで余裕をもって支払える物件を選ぶ必要があります。
理由3:過去の信用情報(クレジットヒストリー)の問題
保証会社を利用する物件の場合、個人の信用情報(いわゆるクレジットヒストリー)を照会されます。
過去にクレジットカードの支払いや携帯電話料金、奨学金の返済などで延滞・滞納があると、審査に通らない可能性が非常に高くなります。
これは自分でも気づかないうちに「事故情報」として登録されているケースもあるため、不安な方は事前に信用情報機関に情報開示を請求してみるのも一つの手です。
理由4:申込書の不備や態度の悪さ
申込書に空欄が多かったり、記載内容に虚偽があったりすると、それだけで信用を失い審査に落ちます。緊急連絡先など、すぐに記入できない項目も事前に確認して、漏れなく正確に記入しましょう。
また、不動産会社への来店時や内見時の態度も見られています。高圧的な態度や清潔感のない身だしなみは、「入居後もトラブルを起こしそう」というマイナスイメージを与えかねません。社会人として節度ある対応を心がけましょう。
【対策】同棲カップルが入居審査の通過率を上げるための完全ガイド
審査に落ちる理由がわかれば、対策も立てやすくなります。ここでは、同棲カップルが審査の通過率を上げるために実践すべき、5つの重要なポイントをご紹介します。
対策1:契約者を収入が安定している方にする
二人のうち、正社員で勤続年数が長いなど、社会的信用度が高い方を「契約者」としましょう。もう一方を「同居人」として申し込むのが基本です。
契約者の収入だけで家賃の支払い基準をクリアできているのが最も理想的です。
対策2:収入合算で申し込む
一人の収入では基準に満たない場合でも、同居人の収入を合算して審査してもらえる「収入合算」という方法があります。これにより、選べる物件の幅が広がります。
申込時には、二人それぞれの収入証明書(源泉徴収票や課税証明書など)を準備しておきましょう。
対策3:安定した収入のある連帯保証人を立てる
親族に安定した収入のある連帯保証人を立てることは、非常に強力な信用補完となります。特に、両方の親に連帯保証人になってもらう「ダブル保証」は、貸主側に大きな安心感を与えます。
事前に両親にお願いし、承諾を得ておきましょう。連帯保証人が見つからない場合は、保証会社を利用することになります。
- 一般的な連帯保証人の条件
- ・契約者の親または三親等以内の親族
- ・安定した収入がある(現役で働いている)
- ・国内に居住している
対策4:貯蓄額をアピールする
申込書に、任意で貯蓄額を記入する欄が設けられていることがあります。もし十分な貯蓄があれば、その額を正直に記入することで、万が一時的に収入が途絶えても家賃を支払える能力があることを示すことができます。
通帳のコピーなどを提出すると、さらに説得力が増すでしょう。
【まとめ】誠実な対応と事前準備で、同棲の入居審査を乗り越えよう
今回は、同棲カップルの入居審査に落ちる割合やその理由、そして審査通過のための具体的な対策について解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
審査の心構え | 明確な「落ちる割合」はない。貸主の不安(家賃滞納リスク)を理解し、それを払拭することが重要。 |
落ちる主な理由 | 収入不足、雇用形態の不安定、信用情報の問題、申込書の不備など。 |
通過率を上げる対策 | 収入が安定している方を契約者にし、必要なら収入合算や連帯保証人を活用。誠実な態度で臨む。 |
同棲カップルの入居審査は、決して特別なものではありません。二人の「支払い能力」を客観的な書類で証明し、「このカップルなら安心して部屋を貸せる」と信頼してもらうことが何よりも大切です。
不動産会社の担当者も、皆さんの味方です。不安な点があれば正直に相談し、アドバイスをもらいながら手続きを進めましょう。
この記事で紹介したポイントを参考にしっかりと準備を整え、二人で力を合わせて入居審査をクリアし、素晴らしい同棲生活をスタートさせてください。